Document書類について

フリーランスは会社に雇われる働き方ではなくクライアントと個人が契約をして仕事を請け負ってます。会社員であれば総務部や人事部があり、必要な手続きや書類を準備してくれますが、フリーランスはそうはいきません。書類の準備に不足があった場合、フリーランスが大きな痛手を被ることもあります。フリーランスに必要な書類の知識をつけ、適切に管理しましょう。

フリーランスに必要な書類一覧Document list

フリーランスが準備する書類のうち、代表的なものは次の通りです。

  • 職務経歴書(スキルシート)
  • ポートフォリオ
  • 契約書
  • 秘密保持契約書(NDA)
  • 注文書、注文請書
  • 請求書、適格請求書

上記は契約時に必要な書類と毎月必要な書類です。
その他に、領収書や確定申告書類などがありますが、「経費・帳簿について」のページで詳しく説明しています。

職務経歴書(スキルシート)Skill sheet

職務経歴書(スキルシート)

フリーランスが希望の案件を契約できるかできないかは、「その案件において求められる人物に値するか」で決まります。言い換えれば「求める人物に値することを証明すること」になります。
そのために必要な書類が職務経歴書 (スキルシート)です。
会社員が転職をする際にも作成するかと思いますが、実力が物を言うフリーランスにおいては職務経歴書(スキルシート)の記載内容が案件にマッチするかで採否が決まるため、会社員よりはシビアな傾向にあります。

スキルシートを書くときのポイント

①「書類の書き方で実力も図られている」ことを前提に作成する

クライアントにとって、まだ会ったこともないあなたを知る唯一の方法は職務経歴書(スキルシート)等の書類です。書類がきれいにまとまっているか、読み手に配慮をされているかで、ある程度実力や人物像は分かってしまうため、最も重要なポイントです。

②A4サイズで1~4枚にまとめる

一般的にはWordを使って作成する場合が多いです。多すぎると読む側(クライアント側)の負担になるため、必要なことに絞って記載するよう心がけましょう。

③箇条書き・一文を短くする

必要なことを簡潔に伝えるためには、箇条書きと一つの文章を短くすることが効果的です。どちらも読み手に対する配慮になりますのでぜひ工夫してみてください。

④レイアウトを工夫する

書いてあることの中身はもちろん大事ですが、ぱっと見たときに「体裁が整っているかどうか」も相手に与える印象を左右する要素となります。

⑤企業名は伏せる

記載してある業務内容から公開前のサービスの仕様等が社外に漏れてしまうことになったり、秘密保持契約に抵触する恐れがあるため、「大手化粧品メーカー」や「大手鉄道会社」などと書くのが一般的です。

スキルシートに記載する情報

  1. 基本情報(氏名・年齢・最終学歴など)
  2. 自己PR
  3. 職務内容
  4. スキル

※トラスタスでは、職務経歴書作成のサポートも行っています。
書類作成に不慣れな方でも安心してご応募ください。

ポートフォリオPortfolio

フリーランスにとってのポートフォリオとは「実績集・作品集」を意味します。実績を資料化したものがポートフォリオになるため、フリーランスにとっては職務経歴書(スキルシート)と同様に、重要な営業資料となります。
決まったフォーマットはなく、職種によっても必要な情報は異なりますが、次のような内容は最低限記載するようにしましょう。

  • 担当したプロジェクトの概要
  • 担当した業務
  • 担当プロジェクトで工夫したこと
  • 担当したプロジェクトであげた実績(成果)

※トラスタスでは、ポートフォリオ作成のサポートも行っています。
書類作成に不慣れな方でも安心してご応募ください。

契約書Contract

フリーランスは特定の会社に属さずに働くため、自由である反面トラブルになった際の対処も自分自身で行うことになります。
契約書には以下の記載があるかどうか、内容はフリーランス側に不利な内容ではないかをチェックしましょう。不明な点は締結前にクライアントに確認し、懸念がある場合には協議をしたうえで双方が納得できる内容に書き換えるようにしましょう。

  • 契約形態
  • 業務内容
  • 報酬額、報酬支払い方法
  • 経費の範囲、経費支払方法
  • 契約期間
  • 契約更新、契約解除に関して
  • 著作権、知的財産権の取り扱いについて
  • 機密保持
  • 損害賠償
  • 管轄裁判所

秘密保持契約書(NDA)Non-Disclosure Agreement

秘密保持契約書(NDA)とは、法人が所持する、一般に公開されていない秘密情報を第三者に開示されたり、不正に使用されたりすることを防止するために締結する契約です。
英語ではNon-Disclosure Agreementというため、「NDA」と呼ばれることもあります。
クライアントからすると、フリーランスに業務を依頼するにあたり社内システムやノウハウを開示することになります。万が一にも別の現場で自社の秘密情報を利用されることがあれば、営業損失に繋がります。
クライアントから締結を求められた場合には応じた方が良いですが、フリーランスにとって不利になるような内容でないかを必ずチェックしましょう。

参考:秘密保持契約書(NDA)とは︖書き⽅のポイントと作成の流れ【ひな形付き】|GMOサイン
https://www.gmosign.com/media/work-style/post-52/

注文書、注文請書Purchase order

注文書はフリーランスに対して発注側が業務を依頼する際に作成する書類です。
注文書を発行することで取引を行うことの証明にもなりますし、取引額も明白になるのでトラブルを防ぐことができます。

個人間の取引だと、口約束で注文書が発行されないこともありますが、作業を行ったのに報酬が支払われない、当初聞いていた報酬額と違うというトラブルが発生することがあります。注文書がないと取引内容を証明できないため、フリーランスが泣き寝入りすることになります。
また、税務上でも保管が義務付けられているので必ず発行してもらうようにしましょう。

注文請書とは、注文を引き受けたことを書面で残すためにフリーランス側から発注者側に提出する書類です。多くの場合には注文書と注文請書を発注側が作成し、フリーランス側は注文請書に判を押して返送します。

請求書、適格請求書Invoice

請求書とは、物品や代金の支払いなどを請求するために出す文書のことです。
令和5年10月より導入される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の条件に当てはまる方は適格請求書の発行が必要になります。

一般的な請求書の記載事項

  • 請求先の氏名または会社名
  • 請求元の氏名・会社名
  • 請求書の発行日
  • 請求書番号
  • 取引内容
  • 取引金額
  • 支払い期限
  • 支払先情報
  • 前提条件・振込手数料等の記載
  • 請求者の捺印

適格請求書の記載事項

  • 登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)および適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

※適格請求書を交付するには、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」になる必要があります。

条件に当てはまる場合には、適格請求書発行事業者の登録が必要になりますので、以下を参照のうえ早めに準備しておく方が良いでしょう。

国税庁 適格請求書等保存方式の概要
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0020006-027.pdf

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